3つの世界:エンタープライズ、ソーシャル/ゲーム、スタートアップ

デブサミ2013 1日目

10:00〜 (14-B–1) 3つの世界:エンタープライズ、ソーシャル/ゲーム、スタートアップ

玉川憲氏(司会)/三谷慶一郎氏/伊藤直也氏/孫泰蔵

IT業界は2つの世界に分かれたのか?

エンタープライズ、ソーシャル系で全然文化がちがうように見える。

  • エンタープライズ
    • 資本力、業務系、IT=インフォメーションテクノロジー
  • ソーシャル/ゲーム
    • 新技術の採用を厭わない。IT=インターネットテクノロジー。
  • ワーク・シフト(書籍)
    • 今までの常識を見直さなければならない。
    • 変化に目を閉ざすな。
    • 過去の成功にとらわれない。
    • 働き方を予測する。
    • 未来について後回しにしない。
  • 自分の属する世界から距離をとって見る。

三谷さんより(エンタープライズ

自己紹介

エンタープライズのいままでとこれから

  • いままで
    • 省力化、自動化中心
    • バックオフィス業務中心
    • 信頼性、安全性、高品質を重視
    • 成功要因は、要求仕様収束と大規模PJの安定的推進
    • 領域としては今後も存在
    • グローバル化
      • グローバル企業への対応
      • グローバルリソースのマネジメント
  • 民間投資の伸び
    • 日本はほとんどない。1995年から横ばい
    • 米国は5倍
  • IT投資と効果(生産性の向上)
    • 米国:80年台は効果があまりなかった。00年台で相対的に大幅に伸びた。
    • 日本:80年台は効果がとても上がった。00年台で相対的に下がってしまった。
    • 日本に80年台に効果があがったのは、現場レベルの高さ。(省力化、自動化が効果的)
    • 2000年台は、企業を変革する方向に変化している。
      • 日本ではそもそもこの「付加価値向上」に方向が向いていない。
  • これから。
    • バックエンド×自動化 → フロント×付加価値創出
  • CIOミッションの変化
    • 「ITを活用して新たなビジネスを創出する」
  • IT人材ケイパビリティ
    • システム設計、開発 → PM → ITマネジメント → 業務改革 → マーケティング
      • これらは積み上げである。
  • これから。
    • ITでしかできないことをやらなければならない。
    • フロント業務中心
    • 迅速性を重視。Quick & Dirt
    • ユーザとともに構想する「デザイン型人材」
      • 言語化されていない課題の発見
      • 解決に向けた集合知の活用
      • 評価を繰り返すことによる成熟化
    • 新しいパラダイムへシフトしていくために、スタートアップ、ソーシャル/ゲームと協調していく必要がある
  • アメリカができて日本ができなかった理由
    • 文化、組織。ダメなら潰す、トップダウンの文化がアメリカにある。

伊藤さんより(ソーシャル)

自己紹介

  • niftyはてなGREE
  • サーバ/インフラを支える技術 (書籍)
  • 大規模サービス技術入門 (書籍)

WEBサービスの世界

  • 2つのB2C
    • 既存のビジネスをITで提供
      • EC、交通予約とか
    • ITそのもので価値提供を行う。
      • 検索、SNS、コミュニティ、ゲーム
  • これまで
  • PostPC
    • PCインターネットは終わった。
      • 儲かったのはGoogleだけ。飲み込んだのは広告ビジネスの資本のみ。
    • WEBの理想が相対化された。
  • 開発トレンド
  • 現状の課題
    • モバイルプラットフォームの寡占、アプリストアの飽和
    • 国内市場の相対的縮小・飽和
    • WEBの大衆化
  • 地域別利用者
  • Consumerization
  • 成功例
  • あるべき姿
    • 建前のないベストプラクティス
      • WEb開発が生み出した最良のものを使う。
    • モバイルインターネットの波には抗えない。
    • WEBはインターネットになった。(ホッテントリ

孫さん(スタートアップ)

自己紹介

  • Yahoo 創設者との出会い
  • 元・学生起業家
  • パズドラ

スタートアップ

  • 年間投融資総額
    • 2006年の半額。アメリカの20分の1
  • 悲観的になる必要はまったくない。
    • 統計に表れないものがある。ちゃんと盛り上がってる。
  • 誰でもスタートアップできる時代に
  • EXIT戦略は、M&Aが主流に
    • いまやIPOは殆ど無い。
    • マネタイズの話はナンセンス。
      • 客を集められるだけで、買収される。
  • ベンチャーのカジュアル化・大衆化
    • スタートアップムーブメント
  • シリコンバレー
    • 300万人人口
    • 17,000社/年 - 12,000社/年 = 5,000社/年
    • ベンチャー生態系がある。
      • 起業家育成、融資プログラム、起業支援、投資家育成、産学連携、再起業支援、ネットワーキング
  • 目標
    • 2030年までに東アジアの世界一ベンチャー生態系をつくる。
  • 能力のあるプログラマー、エンジニアはスタートアップに引っ張りだこ。
  • バンドを組むようにスタートアップすればいいのでは。
    • 役割が集まったら、スタートアップ。
    • うまく行かなかったら解散

パネルディスカッション

ウルトラエコシステムでどんな影響が?

グローバル化で働き方はどう変わるの?

  • スタートアップにおけるグローバル化(孫さん)
    • 最初からグローバル視野
    • 先に英語で開発することを推奨している。
    • グローバルは強制ではなく、チャンスだ。
    • 日本語で作ってしまうと、日本文化の暗黙の了解で作ってしまう。
  • エンタープライズにおけるグローバル化(三谷さん)
    • 国内に閉じた開発は無理がある。目と目の会話はない。ネットワーク越し。
    • グローバルに攻めるエンタープライズ開発も。
  • ギークはどうする?(伊藤さん)
    • github では当たり前。英語で作れば英語でpullrequestがくる。
  • インド人の英語は独特だが、欧米人が理解しないと仕事にならない。逆転現象。
    • そういうものを日本でも起こす。

参加者質問:三谷さんからデザイン能力の話があったが、ドメインを理解し俯瞰できるウルトラマンがいればスタートアップするのでは?エンタープライズに必要?

  • 三谷さん
    • お客様に入り込み、顧客の見えないニーズ/課題を見つける。一緒に考える。というのをデザインと表現。
    • 問題発見、問題発掘の能力が重要。
  • 伊藤さん
    • 役割分担が重要。
    • オバマの件も、CIエンジニアがキーマンになった。
      • 別にその人はオバマに興味がなかったはず。

参加者質問:ソーシャルへの人材流出がある。エンタープライズでの開発者へのフォーカスの手段は?

  • 三谷さん
  • 伊藤さん
    • SIerからの転職のモチベーションは、8割が「自分の作ったものに対するフィードバックがほしい」。
    • まっとうなフィードバック。使われている実感。が必要。

まとめ

  • 働き方を予測しながら、幸福と豊かにする働き方を。
  • 所属する世界における本質を見るには?
    • 違うフィールドを見る。自分のフィールドを距離をおいてみる。
  • 三谷さん
    • Open, Speciality, Professionalism
    • 自らのスペシャリティを確立が必要。
    • どこのために何をやるのか。をいまいちど。
  • 伊藤さん
  • 孫さん