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RSGT のスタッフボランティアで体感した、スクラムの5つの価値基準

「Regional Scrum Gathering Tokyo Advent Calendar 2018」の12日目です。 adventar.org

みなさんごきげんようomoiyari.fm のパーソナリティのひとりであり、本年度は Regional Scrum Gathering Tokyo(以下、「RSGT」) の実行委員のひとりでもある横道です。

アドベントカレンダー、昨日の記事について

昨日は同じく実行委員のおひとりである id:ayumi-hsz さんの「私のアジャイルコミュニティ・ジャーニー」でした。 アジャイルコミュニティで先人の方々の熱意が周りの人間に火を灯し、連綿と新しい世代を生んで持続していることを実際のおひとりの少女(!)の体験から改めて知ることのできる胸熱な記事でした。

ちなみに↓のブログを見てもわかるとおり、id:ayumi-hsz さんはすでにカナダと日本のコミュニティの架け橋になっておられて、個人的にもその挑戦にとても刺激をうけます。 ayumi-hsz.hatenablog.com

今日のお話

さて、 id:ayumi-hsz さんの昨日のブログ本文中にも

その中でも和気あいあいと、素早く仕事をこなす皆様は、やはりプロで、「これこそ自己組織化の極み!」と思ったのを覚えています。

という RSGT のボランティアスタッフの体験についての記述がありましたが、今日は私の方から少しだけ踏み込んで紹介をしたいと思います。

私自身、今年は実行委員としてかかわらせてもらっていますが、RSGT への参加は 2016 年からと割と日は浅く、2016 年に登壇者として、2017年に参加者としてでした。 前回の 2018 年開催で、川口さんからのお誘いもあり初めてボランティアスタッフに応募し参加させてもらいました。

私は、 pmconf の実行委員や Scrum Masters Night! の運営などにも関わっているのですが、 RSGT のボランティア参加時に感じた運営への衝撃が、今それらのカンファレンス、コミュニティ運営にも影響を与えていると思います。それほど素晴らしい運営 でした。

スクラムガイドにある スクラムの 5 つの価値基準 に照らし合わせて、実際のエピソードを紹介してみようと思います。

尊敬

スタッフになってまっさきに感じたのはこれでした。 ボランティアスタッフに当選した後に、まもなく来たメッセージが「部屋付き担当を検討するにあたって、可能な限りみなさんが聞きたいセッションを聞けるようアサインしたいので、聞きたいセッションを事前におしえてください」というものでした。 沢山のスタッフの作業分担を検討するだけでも大変なのに、最大限 スタッフへの配慮 が行われていました。

また、前日の準備でのはじめての顔あわせのシーンでは、実行委員からスタッフに対しての第一声が「 ここにいるスタッフが怪我なくカンファレンスを終えられるのが、カンファレンスとしての最優先事項 ですので、みなさま無理しないようにしてください」でした。同様のことは実際のカンファレンス当日も、お客さんを目の前に宣言されます。スタッフとしては、ただのガキの使いではない 能力のある独立した個人として尊敬されている という気持ちが芽生え、スタッフ・エンゲージメント(!)がとても高まったことを鮮烈に覚えています。

勇気

運営は勇気にも満ち溢れていました。

たとえば昨年の受付には、「入場には全員入場チケットのバーコードを必ず掲示をしてもらう」「たとえ懇意にしている実行委員の知人だったとしてもでも、チケットを持っていなければ入場させない」というようなポリシーがありました。

通常なら都度判断したくなるようなこのような難しいケースも、公平性の観点でそうされていたのでしょうか。またスタッフとしても、明快なルールで判断がシンプル化されているのは非常にありがたく、通常あるような受付の心理的ストレスも少なく作業効率も非常に高かったように思います。また来場者からも特にクレームなどもなかったと記憶しています。

個人的にはこういった非営利のカンファレンスは、スポンサー、来場者、運営が可能な限りフラットな相互に利益のあるパートナーシップ関係であるのが理想だと思います。 決して 「お客様は神様。スポンサー様は神様」ではない と思います。もちろん運営が偉いわけでもありません。 ありうるケースとして、来場者やスポンサーのイレギュラーな依頼を良い顔して受けてしまって、内部が疲弊するということがありますが、そういったことは 実行委員の毅然とした態度とコミュニケーションにより発生していません。もちろん横柄な態度であるわけでもありません。それは同時に、 カンファレンスそのものが生み出すバリューに自信 があるからなのかなとも感じました。さらにはそれが、なにか特定の要素だけで成り立っているわけではなく、登壇者、来場者、スポンサー、スタッフ、実行員、その他関係者のすべての力の結晶であることも自覚しているように見えました。

公開

カンファレンス中は、実行委員、スタッフ全員がレシーバーを装着し、都度 全員から全員への情報格差のない課題共有や、作業依頼 が行われていました。(e.g.「〇〇の作業が発生しそうだから、手の空いている人手伝ってくださいー」→「△△いきまーす」。「✕✕が起きてるから※※しようと思うんですけどいいですか?」→「いいと思いますー」)

スタッフが関連しないような実行委員同士の議論も必要に応じてレシーバーで行われていたので、そういった情報も格差なく発信されていることにも 情報の透明性と、それによる自律の促進 に作用していることを感じました。

また、最近だと川口さんがブログでプロポーザルの選考プロセスを公開していました。こういったことが積極的に行われるカンファレンスもそう多くは無いと思います。

kawaguti.hateblo.jp

確約と集中

さきほど紹介した「ここにいるスタッフが怪我なくカンファレンスを終えられるのが、カンファレンスとしての最優先事項」という実行委員からのメッセージがあるものの、実際のスタッフの動きは、 来場者の満足度を最大化してカンファレンスの全日程を終える、というゴールにコミットし、全力で集中 していました。 スタッフの中には過去にスタッフ経験がある方が多く、そういった方々を中心に非常に自律的に物事が進められており、 スタッフからのリアルタイムでの改善提案と改善実行 がカンファレンス中に数多く行われています。 そもそもスタッフになられる方はスクラムを実践されている方が多いからか、 「自律」「検査 → 適用」が板についている 印象です。はじめての参加でも、そういった方々のアシストを受けたり背中を見ながら、自分も貢献することは楽しくてしかたがありませんでした。

このスタッフの方々の自発的な確約と集中には目をみはるものがあり、実行委員の方々がわざわざ「 みんな頑張り過ぎだから、しっかり休憩とってください ね」と促しているほどでした。(歩数を計測して「1万歩以内におさめる」という目安を言っている実行委員の方もいるほどです) こういった配慮も実行委員のマネジメント力の高さを感じますね。

まとめ

と、(去年の実行委員の方々に確認したわけでもない)私のいち私見ではありますが、ボランティアスタッフの体験から感じた事を紹介させてもらいました。 なお、同様の話題は omoiyari.fm でも前回開催の直後に話させてもらっていますので、ご興味がありましたらどうぞ。

lean-agile.fm

なお、 RSGT 2019 では、今年もボランティアスタッフを募集しています。(な・・・なんだってーーー!) この記事を呼んでスタッフに興味を持たれた方はぜひお申込みをどうぞ!

docs.google.com

明日のアドベントカレンダー

さて、明日のアドベントカレンダーは「明日現場で使える!とにかく明るいScrum Patterns 活用ワークショップ」で登壇される Kazuhide Inano さんです!楽しみに待ちましょう!